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両忘

The Next Door

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GIRL NEXT DOORというグループがあるらしい。
コーハクの出場歌手ということで初めて知ったのだけど、ああやられた、と思う。というのは、自分にも同じタイトルの作品(未完成)があるからです。先を越されてしまいました。。

この言葉、元ネタはジャズのスタンダードナンバーだと思う。The Boy Next Doorという曲がそれで、ビル・エヴァンスが「エクスプロレーション」や「アット・シェリーズ・マン・ホール」で演奏している。トンネルの奥から光が射すというか、冷たい地面が日の光で徐々に温められていうか、じんわりと優しい気持ちにさせてくれる美しいバラードである。そこからパロってタイトルを思いついたんだけど、安易といえば安易。同じ事をかんがえる人間はたくさんいるのですね。

今年の自分ですけど、まちがいなくNext Doorはひとつ開けたような気はする。しかし、開けたのに先の部屋に入り損ねたというか、ドアを開けたが壁だったというか、忸怩たる感覚も残っている。でも、それはしょうがない。もはやノイズに過ぎない、と思うのがいちばんいい。

昨晩、ガンで苦しむ男の子を看取る夢を見た。
ずいぶんと苦しそうな顔をしていて、それでも胸を摩ってやるくらいしかできない。息が止まると、苦悶の表情が一転して穏やかな目をした木の仮面に変化した。次の瞬間、わあわあと泣いてしまったのだけど、目を覚ましても涙は一滴も出ていなかった(のはいつもの通りである)。

自分の中で何かが死につつある。
それはたぶんいい事で、新しいことを始めるには徹底して死んだ方がいいのだ。古いエネルギーがテレビの待機電力のように残っていては、何かを初めても中途半端になるだけだと思う。完全にスイッチを切って、エネルギーをゼロにしたほうがいい。いまはそんな状況。

「長崎は原爆によって無惨に破壊されたが、見事に復興し、破壊の惨状はわずかに資料館の中に留まるだけになっている。これほど人類の希望と平和への力を象徴する事実はないのではないだろうか」(ダニ・カラヴァン)

ダニ・カラヴァンの言葉はやや楽観的過ぎるけれど、休眠中のいまの心に響く。たしかに広島や長崎のすごいところは、町を捨てないで同じ土地に復興させたことなんだよな。歴史上、戦乱や自然災害によって見捨てられた文明や都市はいくらでもあるというのに....。人間個人についてはなおさらで、さまざまなノイズでどんなに破壊されても、自分という心身=土地で自分を生きていくことを止めてはいけない。ここで生きていくという覚悟があれば、次の部屋へ入っていけるのではないか。

新しい制作のリズムを掴むのだ。
もっと学び、心を復興させるのだ。

まあ、なんにしても去年より今年はいい年に出来た。来年がもっといい年であるように、などと高望みはしない。悪くてもいいので、2年後3年後、自分の希望がすこしでも叶うようにがんばって暮らしていければと思う。

みなさま、一年間ほんとうにありがとうございました。
これから年賀状書きます。
by ksksk312 | 2008-12-31 18:16 | 或る日