両忘

パンダから貴公子へ。

日曜日、ニューイヤーコンサートを再放送で見た。
ニューヨークフィルの音楽監督時代にどか〜んと太り、もはや指揮台でパンダが踊っているようにしか見えなくなったマエストロ、 ズービン・メータ。ひさしぶりにテレビで見た姿は、髭をそり落とし、すっかりスリムになっていてびっくり。 デッカの貴公子として業界に君臨していた頃の勇姿を彷彿とさせるではないか。演奏もきびきびしていてよかったぜ。

ただ、もちろん歴史的な名演というわけではない。
3曲目か4曲目で「うわごと」が始まったとき、耳ではメータの演奏が聞こえてくるのに、頭の中ではカラヤンの名演が鳴り響いているという。 ...困ってしまったが、しょうがないよね。

テレビ中継で楽しみなのはバレエと観光の映像。
と、いいたいところだが、せっかくのコンサートなのでやはりウイーンフィルの演奏が見たい。 正直、毎回ちょびっと退屈している。バレエが流れているときは「バレエを見るんだ」と気持ちをシフトさせなきゃな、 と毎年おなじみの「美しき青きドナウ」のバレエ映像を見ていて気づくが...。来年、挑戦。

観光映像は、「水車」のときに水車を映すとか噴飯もの。
ただ「町と田舎」での田園風景はよかったです。緑多い丘陵地帯の彼方に見える高層建築群は、東京の新宿風景とはぜんぜん違う。 手塚治虫のマンガに出てくる未来都市みたい。 ホンス・ホラインの建物もちらりと出て、ウイーンはシュテファン大聖堂と旧市街だけではないのだなと(行けばすぐわかるんだろうが)納得し、 面白かった。

ところで。来年の指揮者はジョルジュ・プレートルに決まったようだ。
これはすごい。すごいぞ。

プーランクのスペシャリストで、フランスのエスプリや享楽性、諧謔性を知りつくした老巨匠とウインナワルツ、相性がよさそうである。 調べてみると、プレートルはウイーン響(ウイーンフィルとは別です)の常任を務めたことがあるではないか。 ひさびさに花のあるキャスティング、と個人的に思う。現在82歳と高齢だが、なんとしてでも指揮台に這い上がって歴史を作っていただきたい。
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by ksksk312 | 2007-01-13 21:25 | 読書美術音楽、etc