引用/R・マリー・シェーファー
R・マリー・シェーファーの『サウンド・エデュケーション』という本を再読しています。シェーファーはカナダの作曲家で、世界各地の音風景の調査、音環境の提言などの活動で有名。この本は、音や音風景を新鮮に知覚したり設計するためのワークショップ問答集みたいなもの。聴覚のレッスン。おもしろくて、読むだけで癒される。
美術の専門書とかはほとんど読まないのに、こういう他のジャンルの本は好きで、意外にも制作(と、日々の生活)のアイデアを授かったりもします。
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education#28
見ることのできない遠くの距離から聞える音を、
いくつ挙げることができるだろうか?
education#29
太った重たいものが出す、高くて細い音は?
小さくて細いものが出す、深くて重い音は?
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#28
オオカミの遠吠え
遠くの飛行機
田舎道の自動車
野外のロックコンサート
汽笛
森の中の滝
#29
(太った重たいもの)
豚の悲鳴
イルカの歌
トラックのキーッというブレーキ
蒸気エンジンのホイッスル
(小さくて細いもの)
ヘアー・ドライヤー
細い棒状のダイナマイトの爆発
クラリネットの一番低い音
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何が聞えるか。
アジアとヨーロッパ、大人と子ども、古代と近代...。
生活環境でまったく違うんだろうな。
こういうのを手がかりに、自分がどこに生きているのか、見えるかも。
by ksksk312
| 2007-06-18 23:18
| 断片集