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両忘

土曜日のこと。

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福岡へ。
2時頃に天神に着き、気になっていた展覧会にいくつか足を運んでみる。

いちばん面白かったのはアクロスで開催されていた「子どもの本カーニバル」というイベントで、本や言葉の展示が斬新でとても勉強になった。念願だったマヤ・マックスと荒井良二さんの実物ともついに邂逅。どちらもいい。コラージュなんか止めていちから絵を描きたいと思わせる作品だ。広いスペースと画材を無限に使えるお金があればやってみたい....春の夢です。

1時間ほど、会場にとどまって本の森を彷徨って思ったのは、いい本のまえでは大人も子どももない、ということだ。自分の記憶を遡ってみても、ぜんぜん読めないのに本の装幀や重みが面白くて開いていた父の本があったし、百科事典の図版は大好きだった。図書館では児童書のコーナーに並んでいる五味太郎さんの絵本、工藤順子さんの詩集は、普通の棚にも並べて欲しいと思う。

そもそも、子ども(という概念)は大人が作ったものだ。本の森を彷徨う時は自分がどっちなのか忘れていい。そんなことを思う。

夕方、IAFshopへ。11時の閉廊まで滞在する。
土曜日のお客さんはIAFに用事があった方もいれて10人くらいだろうか。みなさん、一度ギャラリーに入られたらなかなか出てこない。よろこんでいただいているのが出てきた時の顔つきでわかる....。いろんな質問も受けた。どのくらい時間をかけて描いているのか、どうして表にも裏にも作品を描いているのか(そういうのもある)。まったくの初対面で「ブログをいつも見てます」と言ってくださった方もいて、とてもうれしかった。

お客さんからもいろんな質問を受けるが、こちらからもいろいろと訊いた。一番気になったのは作品のサイズなのだけれど、あまり気にする必要はないということがわかった。お客さんはサイズの大きい絵を見たくてここに来ているのではない。志久の作品を見たくて来ているのだ。大きい作品も描いてみたいが、このサイズでも自信を持って描いていけばいい。励まされる言葉をいただきました。

8時過ぎに西日本新聞のN記者が取材にいらっしゃる。

20分ほどかけてギャラリーを見ていただき、その後インタビュー。15分か20分くらいで終わるのだろうと思ったら、1時間くらいはお話しさせてもらったような気がする。こんなに長い時間、集中して自分の制作について話をしたのは初めてで、これもまたいい経験でした。Nさんは別の部署から転任してこられたばかりで、美術事情には詳しくないと謙遜されていたけれど、立て板に水のように質問につぐ質問で、そのあたりはほんとにプロフェッショナルだと感じる。ビッグマウスにもならず、正直にお話しできたのも、Nさんおかげです。ありがとうございました。

記事は13日、日曜日(個展の最終日)の朝刊に掲載されるようです。
新聞社のサイトでも閲覧できるようなので、掲載されたらリンクしようと思います。いい土曜日でした。
by ksksk312 | 2008-04-08 21:55 | お知らせ、個展など