両忘

空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか。

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映像作家の飯村隆彦さんが書いたオノ・ヨーコの評伝『ヨーコ・オノ、人と作品』(水声社)を読んだ。とてもおもしろくて内容をまとめたいと思うのだけど、とにかく オノ・ヨーコご本人が書いた序文がユニーク。

「私は美人で、頭も悪くないし、身体もいいし、幼い時から、廻りの人に気を使って、随分尽す性だし、今は、その延長で世界の為に、と自分の出来るだけはしているのだから、自分では何もコンプレックスを感じていない。....それがこれだけ悪口を言われて来た、と云うのはどういうことなのだろう。」

わはは。言われますがな....笑。
しかし、さらに続けて。

「....空の美しさにかなうアートなんてあるのだろうか。私はただ私でありたい、と思って暮らしてきただけだ。その私であると云うことが、そんなに怒りを受けるのだったら、人間社会は恐いと、思う。....自分では、自分のいい子ぶりにウンザリしている位で、片親をなくしたショーンの為に、と思って、万事低姿勢で自重しているわけだが、本当は世界にむかって、バカヤローと叫びたいのが本音だ」

序文が書かれたのは1984年で、ジョン・レノンが他界してからまだ4年しかたっていない。偏見もあったろうし、身の危険を感じることもあっただろう。オノさんが安心していられる場所は、まさに空だけだったのかも知れない。

この人は、自分のやってきたことをすべて正しいと思っている(信じている)。結果として、人生のあらゆる局面において甘やかされる余地がまったくなかった。 「空の美しさに....」というくだりは有名な言葉なんだけど、空を「子宮」と読み替えてみるとおもしろい。この世に産み落とされたしまった赤ん坊が泣きながら叫んでいるようにもみえる。

オノ・ヨーコ。素敵な人なんじゃないだろうか。



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一本の線をひきなさい。
その線を消しゴムで消しなさい。


絵を切り刻み
風にくれてやりなさい。

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世界中のすべての時計を2秒ずつ早めなさい。
誰にも気づかれないように。


雲を数えなさい。
雲に名前をつけなさい。


太陽をみつめなさい。
それが四角になるまで。
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by ksksk312 | 2008-06-17 00:44 | 読書美術音楽、etc