両忘

素敵なパーティ

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面白い記事を見つけました。
『花椿・みる』(08年11月・701号)のコラムから引用します。

「あなたの日曜日のディナーに行きたいのだけれど」と、電話1本入れれば、面識がなくても、パリが初めてだとしても、日曜の夕刻、木漏れ日の美しい小さな中庭に面した自宅であなたを笑顔で待つ人がいる。それが、ジム・ヘインズ。国籍、性別、年齢、職業、宗教、その他何の関わりなく、あらゆる人に門戸を開く、日曜日のディナーを供して30年あまり。訪れた人は12万人にも及ぶ。

「いらっしゃい、よく来たね。○○さん、△△さんを紹介しよう」。来訪者リストを手にした75歳のジムは、すべての客のファーストネームを頭に入れ、隣人を紹介し続ける。あまりに自然なジムの「人と人を会わせる」手腕に、ぽつんと一人になる人はいない。私も、ハワイから来ていたギャラリーのオーナー女性、バンコクのカメラマン、近所のフランス人男性、スウェーデンから留学中の美術学生、多くの知己を得た。

ホームメードの優しいごはんが、また美味しい。ジムに賛同する幾人かの若いスタッフが、毎週誰ともなくシェフになるという。食事代としておおよそ10ユーロを最低見当に、誰もがいくらか封筒に入れてジムに渡す。それだけがしきたりだ。(寒河江千代)

いいなあ。

ディナーを主催するジムさんはアメリカ人ですが、ヨーロッパ各地で映画祭や演劇祭を企画してこられた方で、知人にはジョンとヨーコやミック・ジャガーもいるとか。大物のオーガナイザー....みたいな感じの方だけど、これだけの人がこういうこと....普通するだろうか。これは道楽でも慈善でもなく、発明に近いと思う。

ぼくが思い浮かべたのは、宮沢賢治のことだ。
詩人が夢見た「ポラーノの広場」がここにはないだろうか。「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はありえない」。すべての参加者が、平等に、誰かと出会う喜びを....。そういう集まりって(よくよく考えると)無い。人間関係もお金と同じでギブ&テイク、どんな集まりにも力学はある。ジムさんの記事を読んで、少し涙が出そうになりました。

ちなみに『花椿』、百貨店の化粧品売り場にいけば置いてあります。
女性の方はご存じでしょうけど、これは資生堂が発刊している広報誌です。誌面にはパーティの様子と美味しそうな料理も写真で紹介されていて、ジムさんの電話番号も載っています! 興味があるかたはぜひお手にとって見てください。
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by ksksk312 | 2008-10-08 13:04 | 読書美術音楽、etc