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両忘

惰眠

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東北の小さな町にディーゼルカーで向かっている。真夜中だ。その町は山間を抜けた小さな盆地の底にあって、ディーゼルカーは周囲の山並みを(螺旋階段を降りるように)廻りながら降りて行く。急勾配、トンネルと深い谷。なかなかスペクタクルだ。

ディーゼルカーの中で、(実際には誰だかわからないが)信頼できる男の先輩と再会した。途中の駅から乗って、わざわざ出迎えてくださったようだ。心温まる感じ。先輩は自ら運転席に座り、マスコンハンドルとブレーキを操作している。ジェットコースターのような鉄路が続いているが、的確な速度操作で安心感がある。途中、盆地の町の空港駅に着いた。その空港には、とてつもない数の誘導灯で敷地が埋め尽くされている。真夜中に展望台から見ると、まるで宇宙を見下ろすかのような絶景を楽しめるらしい。そうか、ここは東北だし、まるで銀河鉄道みたいだと思う。残念ながら空港駅に降りる時間はなく、町の駅を目指してディーゼルカーは走って行く。

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駅に到着すると、ぼくは大きな荷物を引きずってホームを歩いている。背中にもリュックだ。(着いたばかりなのに)ぼくはこの町から旅立つことになっている。こんなにたくさんの荷物を運べるのだろうか。もっと減らせば良かったのに。でも、自分の持ち物なので捨てる訳にもいかない。

迎えに来てくれたやさしい先輩は、そのままぼくを見送ろうとしている。盆地を出るまで鈍行列車に乗って、乗換駅で特急に乗る。旅は快適なものになるだろう。

(夢をみた)
by ksksk312 | 2012-04-13 00:51 | on paper '12